2020年06月01日

【S6シングル】磨穿鉄硯受けサイクル【最高最終2001(506位)】


S62000.png


こんにちは。gaspardです。


今期は久々にレートが実装されたということで、一先ずの目標であった最終レート2000を目指すべくこれまでより頑張って潜りましたが、何とか最終日0時前に達成することができました。個人的に構築の完成度としては結構高いとは思っているのですが、特に本ROMの方で運に嫌われサブが乗った時点で撤退することとしました。そういう意味で、最終の結果と順位にそこまで満足はいっていないものの、今後も同じような形で潜れるかというとかなり怪しいですし一応最終20↑は剣盾では初めてなので、その結果だけには誇りをもって記事という形で残そうと思います。正直流れと8世代に対する理解があれば2100も狙えたかもと思うくらいには構築は強かったので、単純にこれまでポケモンをさぼりすぎました…




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↑まずは並びを。カバルドンとカットロトムのアイテムはミスではないです。



磨穿鉄硯(ませんてっけん)とは、強い意志をもち続け、物事を達成するまで変えないこと。S4と結果的に並びが5匹被りで、受けサイクルという形もずっと追求していきたいと思っているので、その意味も込めてテーマとしました。



でははじめていきます。



以下常体



今シーズンは、いつも構築相談をしている大統領、ぼんこふさんとの話の中で、実は残飯ギルガルドを使いたいというところから構築をスタートした。というのも、受け構築においては相手のダイマックスをいかに無力化するかというのが至上命題だったところ、それをキングシールド+身代わりで単体で解決してしまうところに魅力を感じたからである。またラプラスに強めでナットレイを身代わりの起点にしつつ裏に大ダメージを与えられ、数的優位を確保すればTODという選択肢を取れるところも良い。


そして、7世代の頃から残飯ギルガルド+ドヒドイデの並びは強いと知っていたのでここも確定、地面に対する回答としてアーマーガアも確定。さらにリザードンが多いと聞いていたので重いトゲキッスを受け出しから対策可能なチョッキ厚い脂肪カビゴンも確定とし、残りを色々入れ替えながら潜っていた。


この軸ではここまでで明確に重いパッチラゴンやロトム系統を重点的に対策する形、またコットンガードエルフーン等重めなポケモンを総合的に対策して珠特殊ドラパルト+スカーフヌメルゴンを採用し、Max1951、2ROM1940↑まで最終日4-5日前に上げられたが、そこから伸び悩んだ。
恐らく理由としては受けで重めなホルード等の初手ダイマックス枠を若干軽視しており、アーマーガアのBを削っているためホルードの珠ダイバーンで飛ぶ(火力おかしいだろ…)などの事象が発生していたためと推察したので、そもそもヌメルゴンを出した際の勝率が良くなかったこともありその辺に変更を加えることにした。そもそも軸として、上記ホルードが明確に重くなる上に被選出も確定するギルガルドの代わりに、ダイマックスを誘発しつつ上手く枯らす方向に持っていけるポケモンを探したところ、カバルドンというポケモンの存在に思い至った。こいつはダイマックスを切らなければ一撃で持っていくのはほぼ困難、ダイマックスを切ればぎりぎり持っていけるくらいの耐久を持つ上、パッチラゴンやホルードにタイプ上強い。そして、肝心のダイマックスを枯らす手段として、守るの採用も考えたものの、カバルドン自身に裏への負担をかけていけるだけのパワーはなく(ロトム等に引かれるとしんどい)、また受け構築の課題として「前が見えていない鉢巻ダルマ問題」が存在したので、双方を安定行動で解決でき、サイクル要因にもなれ、ダイマックス消費にも貢献できる”HB気合の襷カバルドン”の採用が決定した。

また、カバルドンを採用するとトゲキッス等の浮いているポケモンが重くなる上にギルガルドを抜いた関係上ナットレイが重くなるので、双方をそこそこ解決できる”CSベース鬼火祟り目カットロトム”を採用し、ダイマックスホルードを帯ダイソウゲンで乱数で持っていけると判明したため持ち物は達人の帯に。

そしてギルガルドを抜いたことでアイアントに勝てる枠が消滅したこと、受け構築ミラーを落としたくなかったことから補完として1951に到達したPTにいたのと同様の珠特殊ドラパルトを採用して構築が完成した。


結局軸のポケモン自体は抜けてしまったものの、考え方自体は変わっておらず、「ダイマックスを誘発するポケモンを対面させて」「数値やタイプや持ち物でダイマックスを無力化し」「後発ダイマックスで押し切るか受け切る」というところが基本方針になる。これがプラン通りハマった試合はほぼ勝てたし、ハマらなくてもどうにか各個体のスペックで何とかできるようなチョイスをしたつもりではある。



それでは以下、個別解説に移る。




ドラパルト@命の珠


dragapult.jpg


臆病 すり抜け
163-x-96(4)-152(252)-95-213(252+)
流星群 シャドーボール 大文字 10万ボルト
調整
ミラーでの勝率を高めるためCS特化。残りB(物理方面の攻撃を受ける機会が多いことから)



物理環境であること、アーマーガアやナットレイ、ドサイドン等単純に重めな枠及びコットンガードエルフーンに通せる特殊型。スカーフを用いたストッパー運用メインというより荒らせることの方が優先されるため、ダイマックスしてもしなくても機能する持ち物として命の珠を採用。


基本的にこのポケモンが対面で勝てる枠は初手で対面したら引いていくので、初手で比較的有利対面(ex.水ロトム、火ロトム)と思われるポケモンが出てきた場合は、ダイマックスを切らずにダイアーク等で倒されると勿体ないことから引ける場合は引いた方が良い。その結果、例えばロトムのダイアークをカビゴンで受ける等の動きが出来ればしめたもので、削って3匹目のダイマックスドラパルトで〆る動きが見えやすくなる。逆にロトム側が引いていった場合は次の対面ではドラパルトのダイマックスを温存しても良いなという判断が出来るようになる。


↑ここまでがS4の記事(http://www.gsp841125.com/article/474279560.html)の切り貼りだが、今シーズンに関しては結構ドラパルトの選出率は控えめだった。理由として、

・後述のカットロトムを出した方がトゲキッス+パッチラゴンみたいな並びに強いため
・初手ダイマックスをしてくるエースに対してダイマックスを合わせても大体押し負けるため(リザードン、ホルード、アシレーヌ等)

等が挙げられる。ただ受け構築ミラーが発生した場合はドヒドナットみたいな並びに対して裏読みを一度決めればそのまま勝てるためほぼ選出確定。結構勝率は良かった。


こいつはS3くらいから使っているが本当に大文字も流星群も当てないので、勝ち筋を拾われちゃう枠第1号。最終日21時くらい、500位くらいの時に文字外しのせいで択になって負けた時は本気で相手の運を呪った。エキスパンションパスが来ても使うかもしれない枠なんだからしっかりして欲しい。



ドヒドイデ@黒いヘドロ


predasterie.jpg


図太い 再生力
157(252)-x-224(252+)-74-163(4)-55
熱湯 毒々 黒い霧 自己再生
調整
役割対象がヒヒダルマ、ミミッキュ等物理に偏っており、特殊方面はタイプで受けられるためHBぶっぱ。余りD



ダイマックスターンを枯らすという動きをした際、受けにおいて厳しくなるのが「ダイマックスを凌ぎ切ったものの後続の圏内に皆入っていて負け」という展開であり、それを特性と持ち物により解消できる唯一無二の枠。

技構成について、黒い霧の採用有無がかなり取り沙汰されるが個人的には必要不可欠と考えている。理由として、トップメタの一角であるミミッキュや鈍いカビゴンを技一枠で完封でき、また「積み+ダイマックス技」という強い動きを数値により耐えて拒否することが単純に強力だからである。後者については特性天然持ちでケアする考え方もあるかもしれないが、該当するヌオー、ピクシー等はいずれも数値が足りずドヒドイデより先に倒されることが容易に想像されるほか、そもそも天然はダイホロウ、ダイアーク等の「相手の耐久を下げる」ダイマックス技にあまりに無力であることから立ち回りで捲られやすいことが懸念され、そもそもダイマックス技で「押す」環境に2枠選出を基本強いられるのが弱いため、1枠で様々な範囲を誤魔化せる構成にするのが望ましいと考えている。

ウオノラゴン、ヒヒダルマなど明確な役割対象が環境に多く存在するほか、アーマーガアやカビゴンなど型によっては見られるポケモンまで含めるとかなりの数に上るため、出せない構築の方が少ないが、逆にその分崩しの起点になってしまいやすいことから、選出する場合は崩されるルートとそれに対する明確な回答を持っておきたい。


↑ここまでS4の記事の引用。今シーズンは鬼火ドラパルト等変な型のポケモンが多かったこともあり、型が崩れていくと単純に数値で計算が可能でTODルートにも貢献できるこのポケモンは選出率が高まった。

上記にヒヒダルマを役割対象と記載しているが、正直ドヒドイデ交換読み地震はされても文句が言えないくらいには増えてきているので、可能であればヒヒダルマの処理をドヒドイデに一任する形の選出はしたくないと思っていた。カバルドンで可能なら対面処理をしたいので、カバルドンにとって過負荷にならないかを考えて、ヒヒダルマ以外に役割対象がいないと判断できる場合はヒヒダルマを見てもドヒドイデを選出しないパターンもあった。逆に言えばドヒドイデの負担を全体で少しずつ軽減しているので、崩しの起点になりやすい枠ながら無理なく選出に組み込むことができるようになった(逆説的に選出率を上げられた)。



こいつが焼かないのにはもう慣れたのでそこは特に文句を言うつもりもないです。





アーマーガア@オボンの実


corvillus.jpg


腕白 ミラーアーマー
201(220)-108(4)-159(156+)-x-116(84)-93(44)
ブレイブバード ボディプレス 鉄壁 羽休め
調整
HB ステルスロック+A特化ドリュウズの+2珠ダイロック(元技ロックブラスト)最高乱数切り耐え
HD C特化ギルガルドのシャドーボールが最高乱数2連続以外2耐え
S 無振り+6、最速カビゴン+3、準速ドサイドン抜き



構築における便利枠。

ドリュウズが重い受け構築における貴重な地面の一貫を切れる枠であり、それでいてダイジェットによるS逆転から切り返しも出来るポケモン。
構築単位でギルガルドが重いこととラプラスのダイマックスターンを凌ぐためにDに少し回したが、これにより数的優位を取った後はギルガルド相手にTODという勝ち筋を取ることが出来る(ミラーアーマーでDが下がらないので、ドヒドイデと異なりそこで負け筋を引くことがない)


カビゴンとラプラスに強くしたかったのでSを少し伸ばし、その上でカビゴンの鈍い等より遂行速度が速まる鉄壁+ボディプレスでの採用。元のB実数値がHB特化の個体よりかなり低いのでボディプレスをB+0で撃ってもそこまで威力はないが、それ以上に上記のギルガルド、ラプラスへの役割を意識してこの配分にしている。


技について、飛行技はブレイブバード一択だと考えており、これによりボディプレス読みドラパルト引き等が読める場合の確定数が明確にずれる(無振りなら高乱数2)上、自分からオボンを食べに行く立ち回りも出来るようになっている。


↑ここまでS4の記事の切り貼り。ただ元記事よりDを1下げてSを1上げている。理由としては上記のドサイドンの存在で、アーマーガア意識の準速個体が一定数いてそこに同速で負けて試合を落とすことがあったため、それを嫌った形。

鉄壁型でありながらDがかなり高めなので、両刀ドラパルトの火力upアイテムなしの大文字くらいなら普通に2耐えするのが偉い。それも含めてダイマックスをすれば役割対象でなくとも何とかなるくらいの数値があるので、上手くダイマックスを残してこいつに切るとひっくり返せるかもしれない。


ちなみに飛行技+鉄壁ボディプレスは、HS挑発ビルドガア対面でも勝ち筋を残せるのは知っておいた方が良い。ガアミラー対面で挑発をみてからの行動として、挑発が切れたターンにダイマックスを切りダイジェットを撃つことでダイマックスターンが終了する頃にはHSガアとのS関係が逆転しているので上から羽休めor鉄壁が押せて、そこからボディプレス急所をPPが切れるまで狙うことができる。これを嫌った相手が後発ダイマックスをガアに切ってきた場合でも挑発ターンとダイマックスターンの消費が全く同一の3なので、次に挑発が切れるタイミングで確実に補助技を撃てる、という仕組み(当然ながら相手はダイマックスターン中には挑発を撃てない)。

これに関してはアイヘ+ボディプレスでもダイスチル2回で鉄壁1回同様の効用を得られるため結果としては変わらないかもしれないが、数的優位を取った際にTODをすると考えるとダイジェットでS逆転→羽休めと動ける可能性もある飛行技+ボディプレスの方がより勝ちやすいと言えそう(誤差の範囲内かもしれないが)。いずれにしても参考になれば。



ロトム(カット)@達人の帯


motisma-verte.jpg


臆病 浮遊
129(28)-*-128(4)-157(252)-128(4)-147(220)
リーフストーム ボルトチェンジ 鬼火 祟り目
調整
S 最速ギャラドス抜き、準速ミミッキュ-1
C 帯ダイソウゲン(140)でH4振りダイマックスホルードが5/8の乱数1
H余り、BD端数(弱点技を受ける機会がそこそこあるのでH奇数)



新規投入したポケモン。かなり速いのに撃ち分けができるカットロトム。


そもそもこのポケモンの採用理由として大きいのが3点あり、「HC眼鏡を想定されやすくS振りがほぼ悟られず」「ナットレイに安全に受け出しができ逃げられずに遂行が可能で」「パッチラゴンに見た目弱そうで実は強い」というところ。全て初見殺し要素だが、2点目までは気づいた時には時すでに遅い上に火力と鬼火によるサポートは型ばれしたとしても健在だし、3点目についてもパッチラゴンは出てこないに越したことはないので(火力がやばすぎる)、まずまず汎用性も確保できているかなというところで評価は高い。


帯ボルトチェンジが耐久無振りトゲキッスを赤ゲージ付近まで削る程度の火力なので、ダイマックスを切ることでいざとなれば無償突破も可能だし、何より高火力を上から叩き込むor鬼火を上から入れることで相手のダイマックス枠の機能を下げる役割が期待できる点が優秀だった。壁下の体力6割くらいのダイマックスの切れたラプラスをリーフストームで持って行った時は流石にびっくりした。


トゲキッスに関しては他にも言及できるが、素のSで抜いている関係上スカーフ判定ができるのはかなり有用で、ロトムを大事にすべきなのかが瞬時に判別できる上に、こちらのロトムが速いという情報は相手に一切行かないのでこの部分でアドバンテージを取ることができる。構築上トゲキッスを初手に呼ぶ(単純に刺さっている+初手投げしやすそうなドラパルトに対面有利)ため、カットロトムのボルトチェンジ→カビゴンという動きはそのような点でかなり優秀だった。


また単純に受け回しにも一致タイプ上かなり強く、ナットレイをカモりつつ少し削れたHDドヒドイデを帯ダイサンダーで持っていって勝ち、みたいな形で簡単に降参をもらえることが多かった。


以上のことからドラパミミッキュに弱い以外はかなり環境に刺さっており、ドラパに関しては帯ダイホロウで無理やり持っていくみたいなことも可能なので立ち回りの幅も結構広い。そのため、”鬼火やリーフストームを当てれば”文句なく強いし実際活躍もしていた。


でもリーフストームはともかく鬼火はよく外した。悲しみ。




カバルドン@気合の襷


hippodocus.jpg


↑カバルドンだけ得体の知れない生き物になってしまった(他の絵も決して上手いとは言ってないけど)


腕白 砂起こし
215(252)-132-187(252+)-x-93(4)-67
地震 ヘビーボンバー ボディプレス 怠ける
調整
パッチラゴンその他を受けるためHB特化。残りD



やばいポケモン。HB特化なのに襷を持ったカバルドン。

コンセプトを体現したポケモンであり、ダイマックスや重いところを持っていくという意味では補完枠でもあり、また一つの軸でもある。


襷を持たせた経緯は構築の概要を参考にしてもらえればと思うが、ヒヒダルマについて補足すると、B187ボディプレス+砂ダメージ1回がH4振りに対して低-中乱数くらい、2回まで含めると高乱数で落とせるのでほぼ確実に対面処理が可能。加えて言えば、僕視点はヒヒダルマの攻撃をカバルドンで確定で耐えられるので突っ張りを即決しているが、相手はヒヒダルマがスカーフだと氷柱落としでも確定耐えされる、鉢巻だと確定で落とせるが裏に引かれるか…みたいなことを悩んでくれることが多く、結果スカーフなら氷柱、鉢巻だと裏読み地震で居座られることが多かった。結果として鉢巻地震の方がダメージが入らず裏まで含めて見ることができるケースが多く発生して滅茶苦茶面白かった

ダイスチル+ボディプレスは単純に強かったが、そもそもこいつにダイマックスを切る試合が少なすぎて使用感をあまり覚えていない…。




カビゴン@突撃チョッキ


ronflex.jpg


↑カビゴンは結構再現しやすくて草。


意地っ張り 厚い脂肪
235-178(252+)-106(164)-x-142(92)-50
空元気 雷パンチ 冷凍パンチ ヒートスタンプ
調整
HD 特化眼鏡FCロトムのボルトチェンジ+10万ボルト*2+ステルスロックダメージを確定耐え(目安)
A特化、B余り



トゲキッス周りが受け構築永遠の課題だと思われる(トゲキッス受けだけのためにセキタンザンを採用するかetc.)が、実際のところトゲキッス受けでかつ汎用性を確保出来ている受け回しに向いたポケモンは現在のプールだとほぼ存在しない。セキタンザンは完全に対策出来るが地面タイプに無力、その他弱点が多すぎるため選出がトゲキッスやリザードン等の役割対象が選出されない限り弱くなりやすいこと、ギガイアスはそもそもセキタンザンより安定性で劣る上に砂依存の耐久値のためターン調整が難しいこと等。そこで、どうせならトゲキッスのみならず他にも役割を持ちやすいポケモンを選出に組み込むことで選出としてのパワーを上げられないかと考えて、使い古されたこのポケモンに行き着いた。


カビゴンは鈍い等で積まないと火力が不足すると一般的には言われるが、特化ダイアイス+霰ダメでトゲキッス側が耐久に多少振っていても落とせるため、舐めたエアスラ居座り(ダイマックスターン温存、様子見)を許さない。しかもこのカビゴンの攻撃範囲の優秀さから、先にダイマックス権を切ってもその仕事量から残りを裏で詰めて行きやすく、ダイアタックでSを下げて裏のドラパルトで〆る、アーマーガアで上から鉄壁出来るようにする等裏との連携もかなり取りやすい。


特殊か物理かわからないドラパルトの相手をするにあたって必須の駒になり、FCロトム+αという並びにも総じて強く鬼火を入れられた場合は異常空元気でロトムを粉砕出来ることからダイマックスしてもしなくても強い枠として選出は一番多かったと思う。このポケモンの仕事量が勝敗に直結する。


一応注意すべきなのは、受け仕様として多少特殊耐久に多めに割いている関係上通常のチョッキカビゴンよりはBが柔らかいので、例えばヒヒダルマの氷柱落としを厚い脂肪で受けて切り返し、みたいな多少無茶な動きが少し難しくなっていることだろうか。また一般的なチョッキカビゴンはミミッキュに対しての対面性能を上げるためにヘビーボンバーを採用していることが多いが、この構築においては明確にミミッキュに強い駒がドヒドイデ、アーマーガアと二匹もいるため役割放棄をしないという意味でも不採用。ただ晴れ状態のヒートスタンプで無振り+皮の剥げたミミッキュは持っていけるため、ミミッキュとの対面であまりにも弱すぎるというわけでもない。


↑ここまでS4の記事の切り貼り。

ただ、対ドラパルトに関しては鬼火持ちがかなり増えていたので毎回アーマーガアではなくドヒドイデに引くようにしていた。ちなみにドヒドイデに引いた後鬼火だった場合は総合時間制になった関係上PPを枯らせないので、上手く身代わりを貼るタイミングとかでドラパルトなりロトムなりに下げてダイマックスを切りTODルートを取るしかなく、いずれにしても勝率が低かったため、構築上初手ダイマックスっぽくなく搦め手も少なそうなPTにドラパルトがいて、しかも初手に出てきた場合はロトムでダイマックスを切って一撃で倒した後相手のダイマックスを何とか凌ぐ、という形で行く方が勝ちやすいことに、最終日の夕方辺りで気づいた(遅すぎる)。要はカビゴンを、いわゆる「ズキュントス」みたいな並びに初手投げしないケースが増えたという話。

ただカビゴン単体としてはかなり強く、小学生的な範囲の広さと空元気によるある程度の状態異常耐性で相手のテンポを狂わせて勝つシチュエーションが多く発生していた。



☆苦手なポケモン


・ピクシー

天然とマジックガード、どちらなのかわからなさ過ぎて辛い。というか単純に範囲が強すぎる。

・ドラパルト

型が多すぎて読み間違うと終わり。鬼火ドラパルトだった場合は読めてても勝率低い。

・ラプラス

立ち回りで誤魔化してはいるが一撃技1発は厳しい。

・トゲキッス

ヒードランに撲滅して欲しい。

・地割れカビゴン

大人しく欠伸とかでぐうたらしててくれ。頑張って地面割ろうとしなくていいから。


・その他自慢のポケモン大勢


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S62001.jpg



↑証拠画像。メインROMは666位、1972。最終日は一度も4桁には陥落しなかったので、完成度というか構築の安定感は良い感じだと思う。
後は僕がもっとポケモンたちを活躍させてあげられたら…





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以上、如何でしたでしょうか。エキスパンションパスが来てからが本番だとは思っていますが、「受け志向+見た目誤魔化し枠をほぼ使用しない対面処理」+「ダイマックスの無力化」というまずまず珍しいコンセプトの構築だとは思っているので、一つの形として参考にして下さる方がいれば幸いです。





今度構築記事を書くのはいつになるのだろうか…



それでは、また次の記事でお会いしましょう。





Special Thanks:構築相談と愚痴に乗ってくれた大統領、ぼんこふ君/以前カバルドンの技構成のヒントをくれたティラミスぽけさん、ぬまゴリラさん





posted by gaspard at 13:00| Comment(0) | 日記 | 更新情報をチェックする

2020年05月20日

剣盾没ポケモン集①―キョダイマックスラプラスを嵌め殺したい!!―

laprasdynamax.jpg


こんにちは。gaspardです。


今回は構築記事ではなく、タイトルの通り没ポケモン供養集です。

ただまあまあ強そうなポケモンたちなので、拡張パック後の環境の動き次第では全然活躍できないことはなさそうな気はしていて、皆さんの考察の一助になればと思いました。

でははじめていきます。



以下常体



僕はよく「受けサイクル」という構築タイプを使用するが、この構築にとって最も嫌なポケモン、それが7世代ではデンジュモク(次いでメガゲンガー)であり、8世代ではキョダイマックスラプラスである。対受けサイクルでは、ラプラスはダイマックスしない状態で絶対零度を連打しているだけでも普通に強く、それを回避するためにこちらがダイマックス権を切っても、持ち物「突撃チョッキ」やキョダイセンリツで普通に切り返されて押し負けるので明確に重い。それを例えばユキノオーやモスノウ等の氷タイプで受けに回っても、そもそも氷タイプというのが受け向けのタイプではないことと選出としてのパワーが落ちてしまうことからあまりやりたくないのと、一部地割れや角ドリルを採用しラプラスミラーに強くしている個体が存在するがそれに序にカモられてしまうため構築として弱い…と考えていた。


そこで、どうせラプラスが選出されるとわかっているのならそいつを嵌め殺して気持ちよくなりたい!!と考えて色々なポケモンを考察した。

条件としては、

①ラプラス対面で通常であればやや不利、最悪でも五分程度の対面であること(ラプラスに引かれないこと)
②絶対零度等の一撃技に怯えなくていいこと(≒身代わりの採用が自然とできること)
③ラプラス対面で何かしらの積み技を使用しそのまま裏までぶち抜けること(嵌めた意味があること)


の3つ。トップメタだけあってかなり上記を満たす個体は限られたが、下記3つを考察したので順に載せる。



☆No.1 サニーゴ@進化の輝石

corayon_galar.jpg


①については文句なし、誰がどう見ても不利対面。②については身代わりを採用すれば試行回数は1程度で済む(素のSが遅いためどうしても1度は撃たれてしまう)。③について、サニーゴは瞑想を覚えるので、瞑想+特殊攻撃技で抜きエースとして機能させられるのではと考えた。



持ち物:進化の輝石(確定。後述の通り滅茶苦茶固くなる)

性格:穏やか

技構成:シャドーボールor熱湯/瞑想/身代わり/力を吸い取る

調整:167(252)-*-135(115)-86(4)-144(84+)-57(52)
→HB 陽気珠ドリュウズの地震を確定3
 HD D+0状態で、特化珠ラプラスのフリーズドライを身代わりが最高乱数切り耐え
 S 無振りドヒドイデ+2



Sを少し上げることで受けへの遂行も(ドヒドイデに黒い霧がなく、ヌオー等が裏にいないなら)一応可能だが、明確な役割対象としてはラプラス以外には上記のドリュウズ及びカビゴン辺り。


ラプラス対面で身代わりを置ければ次の攻撃は身代わりがほぼ確実に耐えるため瞑想出来て、力を吸い取るのおかげで物理ポケモンへの役割放棄もそこまでしていないことがポイント。机上論ではかなり強そうだと思っていた。


没理由:技の一貫性

ラプラスのメジャーな特性である貯水によって熱湯は無効化されるため1ウェポンはシャドーボールにしたかったが、その場合さらにメジャーなポケモンであるカビゴンにダメージを与えられない。かといってそれ以外の攻撃技は追加効果含めかなり弱く、遂行が遅すぎるため汎用性を保てなかったことから採用を見送った。もし実戦投入するならカビゴンを呼ばない形のPTにしてシャドーボールを採用する等の工夫が必要だが、そもそも欠伸カビゴンで地割れをして受けを破壊してやろうみたいな人が一定数いることから選出誘導もまあまあ難しく、諸々考慮すると思い通りの展開になる試合が少なそうかなと。

でも明らかにスペックは高いので、環境が変われば輝けそうな雰囲気はすごくありますよね。






☆No.2 ニンフィア@カゴのみor食べ残し


nymphali.jpg


↑かわいい。

古き良き瞑想ねむカゴニンフに身代わりを持たせれば裏までぶち抜けるのではと思い考察。上記項目については①は微妙で、チョッキなら役割対象と思ってくれそう。②についてはコンセプト上確定、③はまあ瞑想とスキンハイボがあれば十分であろう。


持ち物:カゴのみor食べ残し(身代わりと相性の良いのは残飯だが、ニンフィアの高速回復技が願い事と眠るしかないので、瞑想/身代わり/攻撃技まで確定と考えるとラグのある願い事か素眠りか…と考えた際はカゴの方が優先されそう)

性格:穏やか

技構成:ハイパーボイス/身代わり/瞑想/眠る

調整:201(244)-*-97(92)-131(4)-178(92+)-90(76)
→HD 残飯のケースでは回復込みサザンのダイアーク(130)+ダイスチル(130)耐え
   カゴでは上記は実現しないが、D+1で特化アシレーヌのムーンフォースを身代わりが確定耐え
 S 無振りアーマーガア+3
 B 余り



Sを上げることで低速帯のポケモンの上から身代わりを置いてアドを取る。ラプラスはこれより早い場合はほぼ準速以上のためそこは上を取ることは諦める。

ニンフィアというポケモン自体が鬼火ドラパルト等の搦め手に強く、ダイマックス時のダイフェアリー(状態異常無効のMFを貼れる)と併せてかなりエース適性を持つので、ねむカゴで全快してからダイマックスを切る動きが普通に強力。

性格について、結構メジャーなのが図太いで採用し両受けする動きだが、そもそもHBに振ったところで一致鋼技を耐えてマジカルフレイムで切り返す等の動きができるかというと必ずしもそんなことはないため、上記のように特殊に役割対象をしっかりと定めて交換際にハイボで負担をかけるor身代わり瞑想で詰めていくというスタンスの方が汎用性は保てそう。



没理由:初手ダイマックス構築とナットレイが増えたため

身代わりの有無にかかわらず結構ニンフィア自体が環境に刺さっており、使用感自体は悪くなかったためS4辺りでは普通に使っていたのだが、初手からダイマックスする構築のエースに軒並み弱く(物理ドラパルト、ホルードその他)、またこのポケモンでは勝てず鉄壁の起点にされるナットレイがかなり増えてきたこともあり刺さっているのに出せない試合が続出した。ナットレイ等はマジカルフレイムをちらつかせて引かせることも出来るが技を4つ見せてしまうと当然居座られるし、そもそもオッカ持ちだとブラフが機能しないパターンもあるためリスキーと考えて解雇。

拡張パックが来ると強い妖枠(コケコ、レヒレ、テテフ)やヒードラン、テッカグヤが登場することになるので一層厳しい環境になるかもしれないが、それでもスペックはまずまず高いとは思う。






☆No.3 ラプラス


laprasdynamax.jpg


ミラーで勝つ、それだけ。

ただ、それだけでは裏まで含めてエースにはなりえない(というよりラプラス軸の構築の組み方としては非ダイマエースを用意するのが定石)ため、ダイマが解けた後か、或いはダイマ中に相手を多く持っていく型を考えた際、「物理型」というのが候補になってきた(ラプラス以外で数的優位を取って受け回すために採用しているので、ラプラス自身が活躍してくれないと困る)。


実はラプラスは竜の舞を覚えるので、ミラー対面で竜の舞を積めてしまえばそもそも全抜きが可能なのでは?ということ。物理にする理由として大きいのが対ギルガルドの有利不利をある程度覆せるということで、受け出しに竜の舞を合わせたケースでダイマックスを切りドリルライナーか地割れを媒体としてダイアースを撃つことで裏までぶち抜ける。しかも先にダイマックス権を切ってもキョダイセンリツで疑似的にダイマターンを延長させられるため竜の舞→ダイマックス先切りの動きは普通に噛み合っている


問題としてはキョダイセンリツの媒体となる物理氷技が本当に貧弱なことで、なんと雪雪崩と氷の礫しか覚えない。マジか。

氷柱針を技マシンにしたなら流石に覚えてくれ…


一応雪雪崩は優先度が下がったうえで攻撃する前にダメージを受けていれば威力が120になるので、キョダイセンリツで耐久を上げた後、技を耐えてA+1で切り返すという動きでまあ実用可能性はあるかなということで、実戦投入してみることにした。



持ち物:ソクノのみ(電気半減)or弱点保険or火力up系(→ソクノにすることでパッチラゴン入りに出しやすくなる[竜の舞をしてもスカーフを持たれていると抜かれて電撃嘴で落とされてしまうがそれをケアできる]。後者二つは普通によくあるやつ)

性格:意地っ張り(陽気だと火力不足なのと、準速でもS+1で最速100族を抜けるため)

技構成:雪雪崩/竜の舞/(ドリルライナー・地割れ、アイアンヘッド、滝登り・アクアブレイク、ボディプレスの4タイプの中から2つを選択)→僕はドリルライナーor地割れ+滝登りで使用

調整:205-150(252+)-100-*-116(4)-112(252)
→A +1帯ダイアース(130)がH252振りギルガルドを高乱数1(→火力upがない場合は確定耐えされる。この程度の火力のためAには性格補正必須)
 S +1でちょうど最速100族抜き
 端数D(特殊の弱点技を被弾する場合が多いため)



火力が足りない分を帯以上の火力upで補うか、行動保障を取るかがかなり微妙なところだが、受けサイクルにパッチラゴンが出てきやすいのでそこを返り討ちにできるソクノが結構有用で、出した試合はまずまず活躍していた。

単純にこの数値とオーロラベールを貼りながらの攻撃を上から押し付けられるのは強く、ラプラスが倒されたのちも勝利に貢献していた印象はある。


没理由:眼鏡等の特殊ドラパルトの増加(というよりすり抜けドラパルト全般に弱い)


受けを崩せる枠としてまずまず有名な眼鏡ドラパルトをさらに重くしてしまう一因となってしまった。また竜の舞を積めるかどうかが結構シビアで、交換際、というタイミングを見極めないと過負荷で全抜きする前に倒れるという事態が頻発した。


かなり扱いが難しいポケモンだが、ラプラスミラーではかなり強かったのでリバイバルの可能性は一応ある。





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上記全てを試した結果、僕の結論が

「ダイマターンをアーマーガアの羽休めとか交換で枯らして後発ダイマで押し切ろう」

という滅茶苦茶普通のものに落ち着いてしまいました()



そしてまた、零度一発被弾に頭を悩まされる日々が続くのであった。


cresellia-lunedemiel.png


早くこいつでラプラスを嵌め殺させてくれ…




おしまい。


長文乱文失礼しました。












次の構築記事ではカプ・ブルル君が出てくるのかどうか…?
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2020年03月28日

【剣盾S4】柔よく剛を制す―四面楚歌受けサイクル;最高171位


SWSH_S4structure_max171.png



こんにちは。gaspardです。

今回が剣盾初の記事になります。USMから環境が変わったまではまあ良いとして、シーズンが1ヶ月周期に変わるという理不尽な仕様のせいで満足に潜れないシーズンが続き、やっと完成度として納得の行く構築が出来たので公開します。レートシステムが消滅したため最終日ゲーになってしまったこの現状では、最終の高順位を狙うということは現実的に不可能なので、まあ瞬間順位としてぎりぎり折り合えなくもないこの結果で記事を書くことになりました。個人的に結果としては全く満足できるものとは言えないですが、一方で初めてまともな試合数潜ったシーズンということもありこんなものかなという印象もあります。

まあ色々グダグダと述べてきましたが、完成度としてはかなり自信があるので参考にして頂ければ幸いです。

では始めていきます。



以下常体




受け構築が厳しい環境と言われる。実際その通りだと思うが、その理由としては頗る単純で、

「数値が足りないから」

これに尽きる。

現状のプールを思い返してもらえればこれはわかりやすく、物理アタッカーとしては7世代になかった火力を生み出せるガラルヒヒダルマ、パッチラゴン、ウオノラゴンが環境に跋扈していて、その上で7世代トップメタのミミッキュも健在。特殊アタッカーとしてもトゲキッスをはじめとした強力な駒が開発され、さらに「わるだくみ」が技レコードとして配布されたため崩しが容易になった。


このような攻め側の変化に伴って受け側も何かを獲得したのかというと、そんなことは全くなく、特殊受け最高峰のラッキー系、物理受け最高峰のポリゴン2の不在、その他メガシンカの廃止に伴い単純に数値の不足するポケモンで火力の上がったポケモンの相手をしなければならなくなったのである。ダイマックスというシステムがあってもなくても、受けには厳しい環境だったことは容易に想像される。


その上今シーズンよりキョダイマックスラプラスが新たに解禁、これにより受け回しは「重火力非ダイマックスポケモン(≒ダイマックスしなくても凄まじい火力を期待できるポケモン)」と「毎試合飛んでくる一撃技」の2つに怯える必要性に迫られた。


この際の受け回しの対処法としては、特にトゲキッスやパッチラゴン等強引にダイマックスを迫ってくるポケモンのことを鑑みるに、

「ダイマックスしてもしなくても強いポケモンで固めて耐久面の汎用性を保ちつつ」
「誤魔化し要素、選出面での柔軟性を取り入れて」
「その上で格下にしっかり勝てる要素を確保する」


という考え方になるだろう。特に一つ目が非常に重要で、一撃技をお手軽に回避できるダイマックスというシステムを十分に生かせないのが瞬間火力に欠ける受けという構築の必定であったわけだが、それでは遂行が遅く結局一撃技の餌食になってしまう。だから、ダイマックスするからには打ち合えるだけの性能がないと意味がないということである。


これを踏まえ、まず受け回す上でネックになってくるヒヒダルマ、ミミッキュ、ウオノラゴンにある程度強く汎用性の高いドヒドイデを確定。また誤魔化し枠として明確に上からのスイープが強く、かつダイマックスにそこまで依存しない(ダイマックスしても強い)枠兼絶対に受け回せないアイアントへの回答として珠特殊ドラパルトをチョイス。この二匹が厳しいところから構築を固めていった。

まずS4の目玉、キョダイラプラス対策としてナットレイを考えたが、明らかにラプラス環境として意識されるポケモンではあり、鉄壁ボディプレスジュラルドン等メタが進み始めたので解雇。代わりに、DとSに振った鉄壁+ボディプレスアーマーガアであれば対ラプラスをある程度意識しつつ他への汎用性を落とさないと考えここも確定とした。これにより自然と受けが重いドリュウズも対策出来、ドラパルト、アーマーガアともに大きな打点を持つので一撃技の試行回数を稼がれにくい。

次にラプラスへのアンチテーゼとなるパッチラゴン対策だが、これは色々考えてもカバルドン以外の駒が不適と感じたため採用確定。そしてここまでで重すぎるトゲキッスとリザードン対策として、他への汎用性も確保しつつ遂行も可能というぎりぎりのラインとして少しBをDに回したチョッキカビゴンを確定させた。

最後にここまでだと、特殊ドラパルトのダイドラグーンの一貫が厳しいことや単純にメタに回りすぎなことから、カビゴンのチョッキをカモフラージュしつつ上手くやれば嵌め殺しも可能な所謂「初見殺し」枠として溶ける瞑想マホイップを採用した。


このような構築経緯があるが、実際のところの汎用性で言えばカビゴン、アーマーガア、ドラパルトが圧倒的であり、ドヒドイデは崩しの起点になることを意識してそこまで選出出来なかったため、上記3匹が基本選出と(結果的に)なってしまっていた。


ちなみにTODを意識して個体は全て色違いで厳選(キョダイマックスマホイップも含めて)文字送りのスピード等で(変化があるか実際のところ不明だが)時間がかかるはずと信じて全ポケモンに「ガラルチャンピオン」の二つ名を付与。当然システムは上手く使っていかないといけませんよね。



それでは、個別解説に移る。






ドラパルト@命の珠

臆病 すりぬけ 
163-x-96(4)-152(252)-95-213(252+)
流星群 シャドーボール 大文字 10万ボルト
調整
ミラーでの勝率を高めるためCS特化。残りB(物理方面の攻撃を受ける機会が多いことから)



構築における抜きエース。
初手運用をすることもあれば後発でスイープを任せることもある。

物理環境であること、アーマーガアやナットレイ、ドサイドン等単純に重めな枠に通せる特殊型、スカーフを用いたストッパー運用メインというより荒らせることの方が優先されるため、ダイマックスしてもしなくても機能する持ち物として命の珠を採用

技選択としては、ラストの10万ボルトが少し前まではハイドロポンプだった(ヒートロトム、ドリュウズの並びに抜群で一貫する水打点)が、ギャラドスが予想外に居たことと一枠でドヒドナット等を崩せる可能性が出てくるため変更した。


基本的にこのポケモンが対面で勝てる枠は初手で対面したら引いていくので、初手で比較的有利対面(ex.水ロトム、火ロトム)と思われるポケモンが出てきた場合は、ダイマックスを切らずにダイアーク等で倒されると勿体ないことから引ける場合は引いた方が良い。その結果、例えばロトムのダイアークをカビゴンやマホイップで受ける等の動きが出来ればしめたもので、削って3匹目のダイマックスドラパルトで〆る動きが見えやすくなる。逆にロトム側が引いていった場合は次の対面ではドラパルトのダイマックスを温存しても良いなという判断が出来るようになる。


実際のところ実数値を見ればわかる通り本当に火力がなく、珠ダイサンダーでH振りドヒドイデに最高でも85%程度しか入らない等かなり厳しいものとなっているが、Sは生半可なポケモンでは抜けない数値なぶん相手の全てのポケモンを圏内に入れてしまえばその時点で勝ちが確定するので、残り2匹での削りが上手く行える前提ならこれほど安定感のあるスイーパーはいないと思われる。


誤魔化す選出になった際や、逆に2枠で大体受けられるため残りに高速枠を置きたい際等に選出するため、選出した際の貢献度とそもそもの選出率もかなり高め。



ドヒドイデ@黒いヘドロ

図太い 再生力
157(252)-x-224(252+)-74-163(4)-55
熱湯 毒々 黒い霧 自己再生
調整
役割対象がヒヒダルマ、ミミッキュ等物理に偏っており、特殊方面はタイプで受けられるためHBぶっぱ。余りD



構築の受けの軸。

ダイマックスターンを枯らすという動きをした際、受けにおいて厳しくなるのが「ダイマックスを凌ぎ切ったものの後続の圏内に皆入っていて負け」という展開であり、それを特性と持ち物により解消できる唯一無二の枠。

技構成について、黒い霧の採用有無がかなり取り沙汰されるが個人的には必要不可欠と考えている。理由として、トップメタの一角であるミミッキュや鈍いカビゴンを技一枠で完封でき、また「積み+ダイマックス技」という強い動きを数値により耐えて拒否することが単純に強力だからである。後者については特性天然持ちでケアする考え方もあるかもしれないが、該当するヌオー、ピクシー等はいずれも数値が足りずドヒドイデより先に倒されることが容易に想像されるほか、そもそも天然はダイホロウ、ダイアーク等の「相手の耐久を下げる」ダイマックス技にあまりに無力であることから立ち回りで捲られやすいことが懸念され、そもそもダイマックス技で「押す」環境に2枠選出を基本強いられるのが弱いため、1枠で様々な範囲を誤魔化せる構成にするのが望ましいと考えている。

ウオノラゴン、ヒヒダルマなど明確な役割対象が環境に多く存在するほか、アーマーガアやカビゴンなど型によっては見られるポケモンまで含めるとかなりの数に上るため、出せない構築の方が少ないが、逆にその分崩しの起点になってしまいやすいことから、選出する場合は崩されるルートとそれに対する明確な回答を持っておきたい。

相手はドヒドイデで詰まない選出をすることを心掛けるためどうしても前のめりになりがちで、そこをドラパルトで咎める、という形が理想。




アーマーガア@オボンの実

腕白 ミラーアーマー
201(220)-108(4)-159(156+)-x-117(92)-92(36)
ブレイブバード ボディプレス 鉄壁 羽休め
調整
HB ステルスロック+A特化ドリュウズの+2珠ダイロック(元技ロックブラスト)最高乱数切り耐え
HD C特化ギルガルドのシャドーボールが確定3発
S 無振り+5、遅めなアーマーガア意識のSラインを全て抜ける数値、最速カビゴン+2



構築における便利枠。

ドリュウズが重い受け構築における貴重な地面の一貫を切れる枠であり、それでいてダイジェットによるS逆転から切り返しも出来るポケモン。
構築単位でギルガルドが重いこととラプラスのダイマックスターンを凌ぐためにDに少し回したが、これにより数的優位を取った後はギルガルド相手にTODという勝ち筋を取ることが出来る(ミラーアーマーでDが下がらないので、ドヒドイデと異なりそこで負け筋を引くことがない)


カビゴンとラプラスに強くしたかったのでSを少し伸ばし、その上でカビゴンの鈍い等より遂行速度が速まる鉄壁+ボディプレスでの採用。元のB実数値がHB特化の個体よりかなり低いのでボディプレスをB+0で撃ってもそこまで威力はないが、それ以上に上記のギルガルド、ラプラスへの役割を意識してこの配分にしている。


こちらのチョッキカビゴンとの縦の相性がかなり良く、初手でドラパルトと対面した際にカビゴン→アーマーガアorアーマーガア→カビゴンという引き方が非常に安定する。このような立ち回りの柔軟さという意味では、上記のダイジェットによるS逆転等も踏まえてドヒドイデ以上に選出がしやすいポケモンと言え、前述の通りカビゴンとのセットでの選出は非常に多かった。

技について、飛行技はブレイブバード一択だと考えており、これによりボディプレス読みドラパルト引き等が読める場合の確定数が明確にずれる(無振りなら高乱数2)上、自分からオボンを食べに行く立ち回りも出来るようになっている。


ドヒドイデより採用理由が明確でないのにドヒドイデより選出率が明らかに高い不思議。



カバルドン@マゴの実

腕白 砂起こし
215(252)-132-187(252+)-x-93(4)-67
地震 ステルスロック 吹き飛ばし 怠ける
調整
パッチラゴンを受けるためHB特化。残りD



補完枠。当初ラプラスを重く見てナットレイだったが、それ以上にパッチラゴンが重かったため明確なメタを用意。


ただダイマックスに吹き飛ばしが効かない仕様のせいで7世代以前と比較して明確に使用感は悪くなっており、またパッチラゴン対策枠なのに交換読み特化珠逆鱗で確定2であることもあってピンポイントメタ以外の役割は正直任せる気はなかった。

それ以外の選出機会としてはステルスロックがサイクル上有用に働きそうな場合(ガオガエン+何かとか)で、この際はカビゴンと組ませてサイクル戦にしていく。


技構成については正直全く正解が不明で、欠伸より起点回避性能が高い吹き飛ばしと上記の理由からステルスロックを採用したが何にしても強く使える技が存在しない(か、僕自身のカバルドンの使い方が良くない)。3ウェポン等の方が強いのかもしれないが、いずれにしても地震+怠ける以外はほぼ選択しないことになりそう。ステルスロックについても、この構築自体がそこまで交換戦をすることを想定していない(どうせ相手は役割集中を考えるため、ダイマックスの切り合いで勝つか負けるかという試合になりやすい)ためそこまで生きなかった印象。


単純に怠けるを所持したカバルドンが現状ほぼ存在しないことからそこで即降参を貰うことがあり、型の誤認が上手く生きているとは思う。



マホイップ@食べ残し

穏やか スイートベール
163(180)-x-103(60)-131(4)-187(228+)-89(36)
マジカルシャイン 瞑想 溶ける 自己再生
調整
S 無振りアーマーガア+2
H 残飯回復効率(多くのターン居座る型のため)とHD方面(下記)が折り合える16n+3
HD ステルスロック→残飯回復込み特化C+2サザンドラのラスターカノン確定耐え、D11n
残りB



初見殺しポケモン。


受け回しのマホイップはHD特化、マジカルシャイン/マジカルフレイム/瞑想/自己再生@リリバの実がテンプレだろうが、単純な特殊受けをマホイップに任せた場合、FCロトム系統にはボルトチェンジで上から逃げられるしそもそもこのポケモン単体であまりにも負担が掛けられないため、それであればということで鋼枠がいない構築に刺していけるこの型を採用した。

HDベースとしながらBにもまずまず努力値を割くことにより、スカーフヒヒダルマくらいなら交代際に溶けるを積んだ前提にはなるが起点に出来るだけのHB耐久を手に入れることが出来る。

さらに特筆すべきは特性で、このポケモンのお陰でカバルドン、ブラッキーといった面倒なポケモンの欠伸の一貫切りが自然と出来る。特にブラッキーに関しては完全に起点である。ステロ欠伸で受けに負担を蓄積させようとする相手の思惑を外すことが出来る点でも普通に優秀。


当然ながら今シーズンからキョダイマックス個体が解禁されたのでそれで採用、これによりダイマックス状態でありながら攻撃すると残飯と合わせて64/326(1/5弱)のHPを毎ターン回復できる。だからこそ、このポケモンで詰める展開を考える際は上手く交換際に要塞化してキョダイマックス技との組み合わせで過負荷を防止する必要がある。

マジカルフレイムを切った弊害により鋼枠、特にギルガルドとドリュウズ、ナットレイがいる構築に対しては選出することが厳しくなってしまったが、そもそもマホイップ自体ピンポイントなポケモンであり、どの技構成にしたところで決して丸い性能をしているわけではないのでこのくらいが丁度良いのだと思われる。


ピクシーに関しては天然ならドヒドイデ、珠+マジックガードならこのポケモンかカビゴンで見られるため型の見極めが必要になるが、いずれにしても、ピーキーかつ数値も足りないながら役割関係を覆せる可能性のあるポケモンはそれだけで存在価値があると思った。でも早く瞑想クレセリアを使わせて欲しい



カビゴン@突撃チョッキ

意地っ張り 厚い脂肪
235-178(252+)-106(164)-x-142(92)-50
空元気 雷パンチ 冷凍パンチ ヒートスタンプ
調整
HD 特化眼鏡FCロトムのボルトチェンジ+10万ボルト*2+ステルスロックダメージを確定耐え(目安)
A特化、B余り


この構築の対面処理の要。


トゲキッス周りが受け構築永遠の課題だと思われる(トゲキッス受けだけのためにセキタンザンを採用するかetc.)が、実際のところトゲキッス受けでかつ汎用性を確保出来ている受け回しに向いたポケモンは現在のプールだとほぼ存在しない。セキタンザンは完全に対策出来るが地面タイプに無力、その他弱点が多すぎるため選出がトゲキッスやリザードン等の役割対象が選出されない限り弱くなりやすいこと、ギガイアスはそもそもセキタンザンより安定性で劣る上に砂依存の耐久値のためターン調整が難しいこと等。そこで、どうせならトゲキッスのみならず他にも役割を持ちやすいポケモンを選出に組み込むことで選出としてのパワーを上げられないかと考えて、使い古されたこのポケモンに行き着いた。


カビゴンは鈍い等で積まないと火力が不足すると一般的には言われるが、特化ダイアイス+霰ダメでトゲキッス側が耐久に多少振っていても落とせるため、舐めたエアスラ居座り(ダイマックスターン温存、様子見)を許さない。しかもこのカビゴンの攻撃範囲の優秀さから、先にダイマックス権を切ってもその仕事量から残りを裏で詰めて行きやすく、ダイアタックでSを下げて裏のドラパルトで〆る、アーマーガアで上から鉄壁出来るようにする等裏との連携もかなり取りやすい


アーマーガアとの項でも触れたが、特殊か物理かわからないドラパルトの相手をするにあたって必須の駒になり、FCロトム+αという並びにも総じて強く、鬼火を入れられた場合は異常空元気でロトムを粉砕出来ることからダイマックスしてもしなくても強い枠として選出は一番多かったと思う。このポケモンの仕事量が勝敗に直結する。


一応注意すべきなのは、受け仕様として多少特殊耐久に多めに割いている関係上通常のチョッキカビゴンよりはBが柔らかいので、例えばヒヒダルマの氷柱落としを厚い脂肪で受けて切り返し、みたいな多少無茶な動きが少し難しくなっていることだろうか。また一般的なチョッキカビゴンはミミッキュに対しての対面性能を上げるためにヘビーボンバーを採用していることが多いが、この構築においては明確にミミッキュに強い駒がドヒドイデ、アーマーガアと二匹もいるため役割放棄をしないという意味でも不採用。ただ晴れ状態のヒートスタンプで無振り+皮の剥げたミミッキュは持っていけるため、ミミッキュとの対面であまりにも弱すぎるというわけでもない。


唯一物理ポケモンの対応が必須なのがギャラドスで、当初ナットレイだった枠をカバルドンに変更した弊害として構築単位でギャラドスが凄まじく重いため、上手く対面を合わせてダイサンダーを当てる必要がある。一応ドラパルトのダイサンダーでもギャラドスは持っていけるが、基本的にはこちらで対処することを前提に体力管理等に気を配りたい。




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Max171S4.jpg


上記を3/28(シーズン終了3日前)の朝に達成。それ以後200-300位ほどをずっと往復していたが持ちこたえられず、600位を切った辺りで萎えて終了。
最終順位は別途追記します。


どうしても一撃技の試行回数が1,2回は稼がれてしまうため、流れが悪いときは本当に勝てなかったし、最初に書いた通り「こんなものかな」という印象。

非常に重いポケモンはギルガルドと、次いでギャラドス。この2匹に関してはほぼ被選出100%かと思われる(し、僕でもこの並びに当たったら出す)。他に関しては型次第だけれど、ヒヒダルマやトゲキッスに関してはどこまで行っても択を回避出来ないので当たるたびに悲しい気分になっていた。


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構築記事は以上になります。正直このプールでこれ以上の完成度の構築を作れるかというとかなり怪しいので、拡張パックを大人しく待とうと思います(或いはやりたくなったら気まぐれで潜ります)。だからこそ今回の記事はかなり丁寧に色々書いたつもりです。何回も読んで参考にして頂ければというその思いだけですね。


次の記事がいつになるかわかりませんが、また気長にお待ち下さい。

それでは。







Special Thanks:構築を作る際に相談に乗ってくれたぬまゴリラさん、大統領、ぼんこふさん、意見を交換してくれたティラミスぽけさん
posted by gaspard at 15:37| Comment(0) | 日記 | 更新情報をチェックする