こんにちは。gaspardです。
今回は構築記事ではないです。最近少し気になっていたことについて言及するだけの記事になります。適当に流し読みして頂ければ。
以下常体
0.前提
気になっていたことというのが「運負けツイートをする奴ほど立ち回りがなっていないことが多い、立ち回りで万難を排したうえでそれでも運負けしたというケースは然程多くない」というよくあるあれ。
ただ、こういった言説が増える中にも運負けツイートは量産されているのも事実で、多分その理由は「立ち回りで万難を排する」というのが正確に理解されていないためなのではないかと推測している。僕自身立ち回りに隙が無いとはお世辞にも言えないが、とはいえ自分が受け回しを好んで使う関係上相手の立ち回りに対応する形で動くことが多いため、「このお相手は強い動きをしてくるな」「このお相手は甘えた行動が多いな」という分析をする機会は他より多い。その経験から一つ、「安定行動」周りの話をしてみようという訳である。
1.「安定する行動」≠安定行動ということ
結論からタイトルにしてしまって恐縮だが、まず「安定する行動」という(自分で定義した)安定行動とは別の行動について説明する。
これは「釣り出し等一見リスクを伴う行動に見えて、相手がどのように動こうとも自分にとって不利には働かない動きのこと」であると定義する。安定行動が「相手が普通に”有利対面では通る技を撃ち、不利対面では交換する”というセオリーに則った行動をする前提での、勝ち筋が最も太くなる(或いは勝ちの確率が最も大きくなる)行動」であると考えるならこれは明確に異なる。
具体例としては、
自分側:HP満タンのキノガッサ@気合の襷(控え:まだ場に出ていないリザードン@Y石、ニトロチャージ+ソーラービーム持ち)
相手側:HP8割ほどのカプ・レヒレ(控え:まだ場に出ていないメタグロス)
ミストフィールドが残り3ターン、相手側Z技使用済み
相手側:HP8割ほどのカプ・レヒレ(控え:まだ場に出ていないメタグロス)
ミストフィールドが残り3ターン、相手側Z技使用済み
というシチュエーションを考える時、この対面での自分の安定行動は当然ながら種マシンガンを撃つこと、相手の安定行動はメタグロスに交換することである。ただ、キノガッサというポケモンに対するメジャーな回答としてミストフィールド+接地鋼というものは世の中に存在するため、ここの交換は普通に読めるところ。
この場面で「安定する行動」という話が出てくる。相手視点はこちらの裏のリザードンが見えていないことや、カプ・レヒレが交換する読みキノガッサ側の剣の舞みたいな行動を咎めるべくS振りならムーンフォースで捨ててくるかもしれない(例えばリザードンでなくミミッキュが裏にいると読むならメタグロスの体力を削るとミミッキュに全抜きされてしまうため、カプ・レヒレ側のムーンフォース突っ張りという行動は間違いではない)。ただメタグロス交換、カプ・レヒレ捨てでムーンフォース突っ張りという両者の行動にそこそこ安定する択が存在する。それが”リザードン交代”である。
・相手がメタグロスに交換した場合
リザードンメタグロス対面。メタグロス側に岩技があればわからないが、そうでなければ相手視点対面負け→※最後カプ・レヒレvsキノガッサで絶対に勝てないためカプ・レヒレに交換するしかない→ニトロチャージからソーラービームでカプ・レヒレを落としてメタグロスにも特殊炎技を通して勝ち。
・相手がムーンフォースで居座った場合
リザードンカプ・レヒレ対面。リザードンが少し削れるがメタグロスへの遂行においては問題ない範囲。上からソーラービームで落とし(相手視点役割対象なので引く意味がない)、メタグロスまで貫いて勝ち。
というように2つのルートとも勝ち筋が太い(それこそアイヘ怯み+何かとかが無ければ勝ち)。
逆にここで種マシンガンを撃った場合(自分が安定行動を取ったケース)、相手がメタグロスに引いてきたシチュエーションを考えてみると、リザードンは交換際の被弾+対面の攻撃でメタグロスに勝てないためキノガッサ居座りしかない。襷を盾に適当に削ってリザードン死に出し。そしてここから、普通に考えればリザードンがメタグロスに対面で負けることはないため自分としては有利と感じるかもしれないが、相手から見れば既にメタグロスには役割が無いため居座りという択しか存在しない。すると思念の頭突きorアイアンヘッドの3割怯みの負け筋を許容することになってしまう。
この2つの場合の違いは上記※の部分であり、リザードンメタグロス対面が出来た際にこちらのキノガッサが生存していることがあまりにも大きい。これにより運要素を可能な限り排除できるのである。
このように、「安定する行動」は言うなれば勝ちを取るための安定行動、攻める側の安定行動とも捉えられる。そもそもの安定行動が受け身な姿勢なのとは対照的である。
2.「安定する行動」に言及した理由
では何故このように立ち回りを定義したかというと、この画像(↑)のポケモンもそうであるように、最近の環境が流動的でトップメタのポケモンの構成が多様化しており、「安定行動」が出来る場面がかなり限られてきているからである。それこそメタグロスに関して言えば、以前はHBポリゴン2で安定して見られるポケモンであったはずが、意地っ張りアームハンマー持ち個体が登場して全く受からなくなった、というような話。要は被弾機会を減らさないと”自慢のポケモン”に滅ぼされる可能性が大いにあるということ。
ただこのような環境でもレート上位勢はそこそこ安定した勝率を出せているのも事実で、それは「運がいいから」で片づけられる話ではない。被弾機会を減らすべく高速ポケモンで固めても、不利対面を取った際の引き先が存在せず押し切られるとか、不意のスカーフ持ちに全員上から殴られるとかそんなこともあるため「クッション枠」という名の被弾を許容するポケモンは半ば必須レベルで入ってくるから、そのようなサイクル可能な構築同士で戦った場合に勝敗を分けるのは、読みと型の強さ(これもかなり重要。自分のみが把握可能な安定行動及び「安定する行動」の選択肢が見えるため相手の目論見を外せる。マイナー気味なポケモンを使用する理由及びメジャーなポケモンで耐久調整を施す意味がここにある)と、そして「可能な限り運要素を排除する工夫」だと考えている。
付け加えて言うなら、これは「受け側がヤンキーをして勝ちに行け」という話でもない。前述のシチュエーションは形だけ見れば釣り出しだが失敗したケースのリカバリーが効いており、そういう両睨み出来る状況なら積極的に攻めないと寧ろ相手に勝ちの目を与えてしまうから気をつけようね、という論である。
3.最後に
まあ結局のところ何がいいたいかというと、「立ち回りを工夫しようね(≒視野を広く持とうね)」「負けた場合もその理由をしっかり振り返ろうね、運負けした場合は特に運要素を排除出来なかったか考えてみようね」という話。
でもそれと共に「運負けツイート自体は温かく見守ってあげようね」とも思います。「お腹すいた」「彼女に振られた」みたいなのと”自分の感情、状態の表明”という意味では全く変わらない訳で…。一応SNSは誰でもどのように使っても(モラルを守りさえすれば)自由なので、どうしても気になるならミュートで良いと思うんだけどなあ。
話が脱線してしまいましたね…。7世代もそろそろ終わり、8世代が始まるわけですが、環境が固まるまではまた混沌とした環境になることが予想されます。当然ながらびっくりポケモンもたくさん出てくるかもしれません。でもそういう場合も、ポケモンはあくまで数値と論理のゲームなのですから、理詰めで丁寧なプレイを心掛けて、クレバーに勝っていきましょう!
ということで今回はこの辺で。長文乱文失礼しました。